ニキビについて皮膚の構造から

 表皮は肌の表面で保湿やバリア機能を担う層です。表皮の厚さはわずか0.1~0.3mmほどで、1ミリにも満たない薄い層です。肌作りの根底にあるのが表皮の一番下層にある基底層です。基底層で作られた表皮細胞(角化細胞)は、上層へと移行し、最終的には角質となります。角質は厚さ0.01~0.03mm程度と非常に薄い層ですが、水分を保持する役割や、外界から皮膚を保護するバリア機能といった役割があります。
 そして、その角質は最終的には古い角質(垢)となって剥がれていきます。このサイクルを角化(またはターンオーバー)といい、通常は約4週間~6週間(28~42日間)のサイクルで繰り返されているとされます。年齢を重ねるほどターンオーバーのサイクルは遅くなっていきます。
 ニキビ・吹き出物は、表皮層のターンオーバーに異常が現れることで引き起こされます。通常、表皮細胞は基底層で作られて表面へと押し上げられ、一定の期間を経て自然に剥がれていきますが、様々な要因によってターンオーバーが通常よりも進んでしまうと毛穴がつまるようになります。それが原因でニキビに移行します。

ニキビの変遷

  1. 初期ニキビで、白くプツっとした吹き出物が出てる状態です。専門用語ではコメドと呼びます。まだ炎症は起きていない非炎症性皮疹です。

  2. 白ニキビから皮脂分泌がどんどん進んで面皰の内側に角化物質、脂肪酸、アクネ菌などが充満し、皮脂が空気に触れて酸化し黒くなります。これが黒ニキビ、ブラックコメドと呼ばれるもの。初期ニキビから徐々に悪化しつつある段階といえます。

  3. ニキビがとうとう炎症を起こして腫れを伴っている状態が赤ニキビです。さらに炎症を起こしたニキビがさらに悪化し、毛穴に収まりきらなくなった内容物が周囲の組織にまで漏れ出ている上、膿を持ってしまうと黄色ニキビ(化膿ニキビ)となります。

顔ニキビと背中ニキビの違い

顔ニキビ 背中ニキビ
画像 顔ニキビ 背中ニキビ
主な菌種 アクネ菌 マラセチア菌
特徴 範囲が狭い
主に顔で頬、顎、こめかみ、フェイスラインなど
範囲が広い
背中、胸、頭皮、首など
治療 ハイドラ洗浄とラクトピールによる治療
※凸凹のニキビ跡にはパールスキン療法
ハイドラ洗浄とラクトピールによる治療

画像出典:http://allabout.co.jp/gm/gc/445033/photo/1292532/