私は、ワキガの皮弁法・剪除法(直視下摘除法)[保険適用]という手術を20年以上やっています。
そのためか当院の保険治療は、ワキガ手術が中心となっています。
なので、なるべく痛くないようにと麻酔の工夫や固定の工夫など長年やっている積み重ねで今日も施術しています。
どうしてワキガになるの?
わきが(ワキガ、腋臭症)の原因の多くは遺伝によるものです。ご両親がわきが(ワキガ、腋臭症)の場合その子供に発症するケースが多いようです。
わきの下の皮下には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺という2種類の汗腺、そして皮脂線が存在します
このうちエクリン汗腺は、体温調節の働きをするための分泌腺で成分の99%が水分、残りは塩分やカルシウムなどのミネラルです。 エクリン汗腺はわきの下や手足の平以外にも、全身の皮膚に広く分布しています。
なので真皮の中にあるエクリン汗腺から出る「汗」は無臭です。
一方、真皮の下にあるアポクリン汗腺は、わきの下、外陰部(すそワキガ、スソガ)、乳輪(チチガ)、耳の中等に集まっています。ここから分泌される脂肪酸、たんぱく質、脂質、糖類、鉄分などの成分が皮脂線から分泌される脂肪分と混ざり、誰にも存在する表在菌によって分解され、その匂いが「わきが(ワキガ、腋臭症)」となります。そのため耳垢が湿っているとワキガ体質と言われる理由です。
わきが(ワキガ、腋臭症)の患者さんの脇を手術してみると、アポクリン汗腺は有毛部位の中心のあたりに多く(70~80%)密集しています。
またアポクリン腺が多い人ほど臭いの程度が大きいです。つまり、わきが(ワキガ、腋臭症)を根本から治療し、悩みを解決するには、このアポクリン汗腺を手術で取り除いてしまえば良いのです
皮弁法(ひべんほう)・剪除法(せんじょほう):直視下摘除法
わきが(ワキガ・腋臭症)の治療・手術方法は何種類かありますが、当院では、最も治療効果が高い皮弁法・剪除法(直視下摘除法)[保険適用]という手術のみを行っております。
皮弁法 片ワキ 約21,500円 両ワキ 約42,000円(入院なし)(健康保険適用)
皮弁法は剪除法ともよばれます。皮膚をわずか3cm程の切開(美容外科ならではの技術)から、皮膚の裏にある、臭いの元であるアポクリン腺を専用の手術剪刀(せんとう)で切除する、わきが(ワキガ・腋臭症)手術です。
わきが(ワキガ・腋臭症)手術の中でも効果はもっとも高いのですが、ワキをしっかりと固定する必要があるなど患者さんの協力が必要になります。
皮弁法・剪除法(直視下摘除法)は、唯一、健康保険が適用される、わきが(ワキガ・腋臭症)治療方法です。
リスクと効果を考えた保険治療法
わきが(ワキガ、腋臭症)の患者さんの脇を手術してみると、アポクリン汗腺は有毛部位の中心のあたりに多く(70~80%)密集しています。
これを踏まえて患者さんのクオリティーライフを考えた、皮弁法・剪除法(直視下摘除法)を行います。
つまり、両側を当日に施術ができ、固定が楽で、通院が少なく、腕を動かせることが出来る保険治療です。
なんせ、私は20年以上この治療を行っています。
当院の麻酔の打ち方
よくワキガの治療で麻酔の痛みについて聞かれます。
痛くなるのは一気に高濃度の麻酔を注入すると痛いです、また麻酔を注入する場所も考慮にいれます。
なので私は低濃度の麻酔を重ねて打ちます。麻酔が効いたとこらから麻酔をするので、その方がはるかに痛みが軽減されます。
術後の痛み
今までかなりの数の施術をやらさせてもらいましたが、麻酔が切れて痛いと言われてことは、ほとんどありません。
痛み止めを処方するのですが、使用する方は少ないように思います。
それよりも圧迫固定のテープが痒い、テープかぶれになる患者さんが多いと思われます。
我慢してください。皮膚に固定を縫い付けるタイオーバー固定に比べれば、はるかに楽ですよ。
傷跡について
わきが(ワキガ、腋臭症)の皮弁法(ひべんほう)・剪除法(せんじょほう)の傷跡が汚くなる最大の要因は傷の血行が悪くなることから起こります。
そのため当院では、傷跡を考えた、皮弁法・剪除法(直視下摘除法)を行います。
つまり、傷の血行をうまく保ちながら行う方法です。なので傷跡は綺麗にシワのような感じになります。