腋窩多汗症(えきかたかんしょう)は、ワキの下から過剰な量の汗が出てしまう状態で、特に体温が上昇したり精神的に緊張した状態ではこの症状が顕著となります。
原発性腋窩多汗症は、ホルモンや神経の異常など、何らかの原因があって汗が出る続発性腋窩多汗症とは異なり、原因となる病気がないのに起こる状態をいいます。
このような場合、
この治療(腋窩多汗症のボツリヌストキシン注射)での保険治療は行っていません。
腋窩多汗症とは?
腋窩多汗症(脇汗、脇の多汗症)とは、汗を多くかく病気(多汗症)の中でも特に脇に集中すること言います。
日本人全体の6%ほどに認められる疾患です。腋窩の発汗は、精神的な面や周りの温度から影響されます。
わき汗で服がびしょ濡れという経験をされる方も多いのではないでしょうか。
そのため腋窩多汗症は、患者様の日常生活にダメージを与え、生活の質の低下させてしまいます。
腋窩多汗症とワキガとの違い
わきの下の皮下には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺という2種類の汗腺、そして皮脂線が存在します
このうちエクリン汗腺は、体温調節の働きをするための分泌腺で成分の99%が水分、残りは塩分やカルシウムなどのミネラルです。 エクリン汗腺はわきの下や手足の平以外にも、全身の皮膚に広く分布しています。
なのでエクリン汗腺から出る「汗」は無臭です。
そのため多汗症のボツリヌストキシン注射を打ってもワキガの臭いは変化がないです。
*ワキガは腋臭症の手術(保険適応)があります。
腋窩多汗症(脇汗、脇の多汗症)に対するボツリヌストキシン注射
エクリン汗腺より汗が出るには、アセチルコリンという神経伝達物質により、神経からエクリン汗腺に伝えられた結果です。
ボツリヌストキシン注射は、このアセチルコリンの放出を阻害し、神経から汗の腺への情報伝達を遮断することで発汗を抑制します。
遮断された伝達は4~9ヵ月持続しますので、夏前にボツリヌストキシンを行うと一番汗をかきやすい時期を快適に過ごすことができます。
次の患者様は治療を受けることが出来ません。
・全身性の筋力低下を起こす病気をお持ちの患者さん(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症等)
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の患者さん
・本剤の成分に対して、発疹などのアレルギーを起こしたことのある患者さん
ボツリヌストキシン注射のやり方
わきの下(有毛部)に皮下数ミリに1~2センチ間隔で直接注射をします。
皮膚に直接注射するので邪魔になるためボツリヌストキシンの施術前には必ず脇の毛は剃ってきてください。
* 除毛クリームを使用してもかまいません。